エンタングルメントとはなにか

2次元のヒルベルト空間の基底ベクトルを $$ |0\rangle := \left(\begin{array}{c}1\\0\end{array}\right) ,\ |1\rangle := \left(\begin{array}{c}0\\1\end{array}\right) \ \ , $$ とします。この空間上のベクトルで表される量子ビット $A,B$ についての状態は $$ |\Psi\rangle_{AB} = a |0\rangle \otimes |0\rangle + b |0\rangle \otimes |1\rangle +c |1\rangle \otimes |0\rangle +d |1\rangle \otimes |1\rangle $$ $$ |a|^2+|b|^2+|c|^2+|d|^2=1 $$ と表せます。この状態が $$ |\Psi\rangle_{AB} = (u_{A} |0\rangle+v_{A}|1\rangle)\otimes (u_{B} |0\rangle+v_{B}|1\rangle) $$ $$ |u_{A}|^2+|v_{A}|^2= |u_{B}|^2+|v_{B}|^2=1 $$ という形で書けないとき、もつれあっている(エンタングルしている)といいます。 参考文献 富田章久, 量子情報工学

2018年12月25日

クラメール-ラオの不等式の導出

クラメール-ラオの不等式(Cramer-Rao bound) パラメーター $\theta$ をもつ確率密度関数 $P(X|\theta)$ に従う確率変数 $X$ を考えます。 観測値 $\hat{X}$ から求めた $\theta$ の不偏推定量 $\hat{\theta}$ の分散について、以下の不等式が成り立ちます。 $$E[(\hat{\theta}-\theta)^2] \geq E^{-1}[(\frac{\partial}{\partial \theta} \log (P(\bar{X}|\theta)))^2] \ .$$ 導出 確率変数 $X\in \mathbb{R}$ について、未知パラメーター $\theta\in \mathbb{R}$ をもつ確率密度関数 $P(X|\theta)$ を考えます。 いま、確率変数 $X$ の標本 $\bar{X} \in \mathbb{R}^N$ が得られたとします。$\bar{X}$ が得られる確率は、 $P(\bar{X}|\theta)$ であり、 $\bar{X}$ について積分すると、 $$\int P(\bar{X}|\theta) d\bar{X} =1 \ ,$$ となります。上式において、両辺を $\theta$ で微分すると、 $$\frac{\partial}{\partial\theta} \int P(\bar{X}|\theta) d\bar{X} = 0 \ .$$ 微分演算子を積分の中にいれて、 $ P(\bar{X}|\theta)/P(\bar{X}|\theta)=1$ をかけると、 $$\int \frac{P(\bar{X}|\theta)}{P(\bar{X}|\theta)} \frac{\partial}{\partial\theta} P(\bar{X}|\theta) d\bar{X} = 0 \ . $$ ...

2018年12月25日

ナイキストの安定判別法

ナイキストの安定判別法 (Nyquist stability criterion)は、簡単に閉ループ制御系の安定性を判別する方法です。ここでは、なぜナイキストの安定判別法が必要なのかを考えてから、ナイキストの安定判別法を導出してみます。 図1.閉ループ制御系 なぜナイキストの安定判別法が必要なのか 図1. のような一般の閉ループ制御系を考えます。この系の伝達関数 $G(s)$ は、 $$ G(s) := \frac{Y(s)}{R(s)} = \frac{P(s)C(s)}{1+P(s)C(s)} $$ です。この系が安定かどうかは極 ($1+P(s)C(s)=0$ の $s$ についての解) の符号を調べれば分かります(極と安定性の関係については こちら)。しかし、一般の多項式の複素解を手計算で求めるのは簡単ではありません。ではどうしたらいいでしょうか?ナイキストの安定判別法は極を求めずに、実部が正の極があるかどうかを調べることで、極を求める計算が難いので安定性が分からない、という問題を解決する方法なのです。 ナイキストの安定判別法の導出 ナイキストの安定判別法は、 $P(s)C(s)$ については、事前に設計したり、モデル化したりすることで分かっていることを利用します。 まず、 $P(s)C(s)$ の零点を $z_i,\cdots,z_m$ 、極を $p_1, \cdots p_n$ が分かっているとして、 $P(s)C(s)$ は $$ P(s)C(s) = \frac{K(s-z_1)\cdots(s-z_m)}{(s-p_1)\cdots(s-p_n)} $$ と表すことができます。よって、特性方程式は $$ 1+P(s)C(s)=\frac{(s-p_1)\cdots(s-p_n)+K(s-z_1)\cdots(s-z_m)}{(s-p_1)\cdots(s-p_n)} =0 $$ となります。さらに、特性方程式の零点を $r_1,\cdots,r_n$ とおけば、 $$ 1+P(s)C(s)=\frac{A(s-r_1)\cdots(s-r_n)}{(s-p_1)\cdots(s-p_n)} =0 $$ と表すことができます。ここで、伝達関数は $$ \begin{align} G(s) &= \frac{P(s)C(s)}{1+P(s)C(s)} \\ &= \frac{K(s-z_1)\cdots(s-z_m)}{(s-p_1)\cdots(s-p_n)}\frac{(s-p_1)\cdots(s-p_n)}{A(s-r_1)\cdots(s-r_n)} \\ &=\frac{K(s-z_1)\cdots(s-z_m)}{A(s-r_1)\cdots(s-r_n)} \end{align} $$ となるので、特性方程式の零点 $r_1,\cdots,r_n$ は、伝達関数の極になっています。いま $1+P(s)C(s)$ の零点 $r_i,\cdots,r_n$ と極 $p_i,\cdots,p_m$ のうち、実部が正であるものの数をそれぞれ、 $R$ 、 $P$ とします。いまのところ、 $P$ は分かりますが、 $R$ は分かりません。 ...

2018年12月25日

伝達関数の極と安定性

次のような伝達関数を考えます。 $$ G(s) = \frac{n(s)}{d(s)} = \frac{b_0 s^m +b_1s^{m-1}+\cdots+b_m}{s^n+a_1s^{n-1}+\cdots+a_n} \ \ (n \geq m) $$ この伝達関数の分母多項式が重根をもたないときを考え、 $G(s)$ の極を $p_i\ (i=1\sim n)$ とします。このとき、 $$ G(s) = \sum_i \frac{A_i}{s-p_i} $$ と書くことができます。( $A_i$ は定数) よって、インパルス応答は $$ y(t) = \mathcal{L}^{-1}\{G(s)\}= \sum_i A_i e^{p_i t} $$ となります。このことから、もし $p_i \ (i=1 \sim n)$ のうち、ひとつでも実部が正の値をとるものがあると、インパルス応答が発散してしまうことが分かります。

2018年12月25日

変分と微分演算子の交換関係

解析力学などでは、変分という概念を用います。ここでは、変分と微分演算子が交換可能であることを確認します。 ある $x$ の関数 $y(x)$ と、 $y(x)$ に対して微小な変化 $\delta y(x)$ を加えた $Y(x):=y(x)+\delta y(x)$ を考えます。 次に、関数 $Y(x)$ 、 $y(x)$ の各点 $x$ における微分 $dY/dx$ 、 $dy/dx$ の差を $\delta(dy/dx)$ とすると、 $$ \delta(\frac{dy}{dx})=\frac{dY}{dx}-\frac{dy}{dx}=\frac{d}{dx}(Y-y)=\frac{d}{dx}\delta y $$ であるので、変分と微分演算子が交換可能であること $$ \delta(\frac{dy}{dx})=\frac{d}{dx}\delta y $$ が確認できました。

2018年12月25日

累積分布関数と期待値の関係

確率変数 $X$ についての確率密度関数を $f_X(x)$、累積分布関数を $F_X(x):=\int^x_\infty f_X(x)dx$ としたとき、期待値について以下の式が成り立ちます。 $$ E(X)=\int^\infty_0 (1-F_X(x))dx $$ 証明 $$ \begin{align} \int^\infty_0 (1-F_X(x))dx&=\int^\infty_0P(X\geq x)dx\\ &=\int^\infty_0 \int^\infty_x f_X(t)dtdx\\ &=\int^\infty_0\int^t_0 f_X(t)dxdt\\ &=\int^\infty_0 tf_X(t)dt=E(x) \end{align} $$ 途中で積分の順序を交換するのがポイントです。 参考文献 self study - Find expected value using cdf - Cross Validated Area and Volume Revisited

2018年12月25日

線形代数でよく出てくる式変形

$I\times K$ 行列 $A$ と $J \times K$ 行列 $B$ を考え、$A, B$ の列ベクトルを $a_i,b_i \ (1\leq i \leq K)$ とします。 $$ \begin{align} A:= \begin{pmatrix} a_{1,1} & \cdots & a_{1,K} \\ \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{I,1} & \cdots & a_{I,K} \\ \end{pmatrix}= [a_1 \cdots a_K] \\ B:= \begin{pmatrix} b_{1,1} & \cdots & b_{1,K} \ & & \ \vdots & \ddots & \vdots \ & & \ b_{J,1} & \cdots & b_{J,K} \ \end{pmatrix}= [b_1 \cdots b_K] \end{align} $$ ...

2018年12月25日