伝達関数の極と安定性

次のような伝達関数を考えます。

$$ G(s) = \frac{n(s)}{d(s)} = \frac{b_0 s^m +b_1s^{m-1}+\cdots+b_m}{s^n+a_1s^{n-1}+\cdots+a_n} \ \ (n \geq m) $$

この伝達関数の分母多項式が重根をもたないときを考え、 $G(s)$ の極を $p_i\ (i=1\sim n)$ とします。このとき、

$$ G(s) = \sum_i \frac{A_i}{s-p_i} $$

と書くことができます。( $A_i$ は定数) よって、インパルス応答は

$$ y(t) = \mathcal{L}^{-1}\{G(s)\}= \sum_i A_i e^{p_i t} $$

となります。このことから、もし $p_i \ (i=1 \sim n)$ のうち、ひとつでも実部が正の値をとるものがあると、インパルス応答が発散してしまうことが分かります。